タイを含むASEAN諸国では、日常生活の中で動物と密接な関係を築いています。
ただのペットや害獣にとどまらず、「幸運をもたらす」「災いを予兆する」など、動物に“霊的な意味”や“縁起”を見出す文化が広く根付いているのが特徴です。
今回はタイを中心に、ASEAN地域で語り継がれている動物にまつわる信仰や民間迷信10選をご紹介します。
🦎 ① チンチョ(จิ้งจก / 小ヤモリ)|鳴き声が幸運の予兆?
タイの家屋に高確率で現れるチンチョは、「守り神」や「福の使い」として見なされることもあります。
- 鳴いた回数が奇数なら吉、偶数なら凶と占う迷信もあり
- 家に住み着くと「良い気が流れている」とも言われる
▶ ASEAN他国では:
🦎 ② トッケイ(ตุ๊กแก / 大型ヤモリ)|鳴き声の回数に要注意
大きな体と「トッケー、トッケー!」という鳴き声で知られるトッケイも、霊的な扱いを受けています。
- 7回鳴けば幸運、6回以下なら不吉という言い伝えが有名
- 家の中で見つかると「霊が守ってくれている」証とも
▶ インドネシアでは乾燥させて薬用にもされる
🐸 ③ カエル(蛙)|金運アップの象徴
タイでもカエルはお金が返ってくる、という意味の迷信があるようです。タイの場合は日本の「カエル(返る)」の語呂合わせとは少しニュアンスが違うようですが、
「ゴップ(カエル)が家にいると、富や幸運が戻ってくる」
「出て行った運やお金がまた帰ってくる」
という民間信仰やイメージから金運や財運の象徴とされます。
- 小さなカエルが家に入るのは“お金が戻ってくる”サイン
- 鳴き声がにぎやかだと「商売繁盛の兆し」
▶ 日本や中国でも金運と関係付けられる点が共通
🐍 ④ ヘビ(งู / ングー)|再生と強運のシンボル
タイではヘビを見かけること自体がスピリチュアルな出来事とされます。
- 家に入ってきたヘビは「過去世の知人・守護霊」と言われる
- 特に白ヘビは“神の使い”とされて大切に扱われる
🐈 ⑤ ネコ(แมว / メーオ)|運命の案内人?
タイには「猫が前を横切ると良いことが起きる」といった、ポジティブな迷信もあります。
- 黒猫=不吉という概念は薄く、むしろ「魔除け」として扱われることも
- 葬儀に猫が近づくと死者が甦るという“禁忌”もある
▶ ASEAN全体ではネガティブ視よりも「神秘的な生き物」として扱う傾向
🐘 ⑥ ゾウ(ช้าง / チャーン)|王族と神聖の象徴
タイ国民にとってゾウは「国の守護者」。
特に白いゾウは王室に献上される神聖な存在です。
- ゾウの夢を見ると幸運が訪れる
- ゾウの置物を玄関に置くと“家の運気が上がる”とされる
▶ カンボジア・ラオスでも王朝の象徴として扱われてきた歴史あり
🐢 ⑦ カメ(เต่า / タオ)|長寿と富の守り神
カメは「幸運」「長寿」「財運」の象徴として人気があります。
- カメが家の前を横切る=良縁の前兆
- 水辺でカメに出会うと金運アップと信じられることも
▶ ミャンマーやフィリピンでも“聖なる動物”として扱われる
🐦 ⑧ 鳥(นก / ノック)|鳴き声が未来を知らせる?
特に“鳥の鳴き声”にまつわる民間迷信が多く、家の前で鳴く鳥に注意を払う人も少なくありません。
- 朝にツバメが鳴く=良い知らせ
- フクロウの声=死の予兆とされる地域も
▶ マレーシア・インドネシアでも「鳥=先祖の霊が姿を変えたもの」という信仰あり
🐜 ⑨ アリ(มด / モット)|“家の財運”を表す小さな使者
- 黒アリが玄関に列をなす=「金運が入ってくる」
- 赤アリがキッチンに集中=「財が漏れている」サイン
▶ シンガポールやフィリピンでも「アリの行列は運気の道筋」と考える人もいる
🐕 ⑩ 犬(หมา / マー)|吠える先に霊あり?
犬はペットとしても馴染み深い存在ですが、夜中に特定の場所に向かって吠えると「霊がいる」と信じる人も多いです。
- 深夜、天井や仏壇を見つめて吠える=霊感を持つ犬の兆候
- 野良犬が突然懐くと「前世で縁がある動物」と考える信仰も
タイ人は“動物のしぐさ”から運勢を読む達人!
タイを中心としたASEAN諸国では、動物は単なる存在ではなく、「自然界からのメッセージ」や「守護の象徴」として深く日常に溶け込んでいます。
- 実際の動物の行動
- 鳴き声
- 家との距離やタイミング
これらをもとに、「今日はいい日になる」「注意しなきゃ」と人々が無意識に判断している文化的感性は、まさに東南アジアの魅力のひとつです。
※情報ソース:Joy Thai Superstitions
ResearchGate – Cultural Attitudes to Animals in Southeast Asia