シラチャの市場やスーパーで鮮魚コーナーを覗くと、日本では見慣れない魚が多くて大変興味深いです。タイの海は美味しい魚介類で知られており、中でも「プラー・ガポン（ปลากะพง）」はタイ料理の世界で特別な位置を占めています。今回の記事では、プラー・ガポンの魚の特徴から、タイ料理での使われ方までをご紹介します。
プラー・ガポン（ปลากะพง）の基本情報
魚の種類と特徴: プラー・ガポンはバラマンディ、またはアジアンシーバスとしても知られ、その白身と柔らかな肉質が高く評価されています。成魚は最大で1mに達し、重さは約40kgまで成長します。
生息域: この魚はインド太平洋地域に広く分布しており、タイを含む東南アジアの沿岸部に生息しています。特に熱帯域の河川や沿岸の汽水域に適応しているため、タイの川や湖でも見られます。
タイ料理でのプラー・ガポンの使用法
タイ料理でプラー・ガポンは非常に多様な調理法で楽しまれています。その柔らかな白身は様々な風味を吸収しやすく、下記のような料理法が一般的です。
- プラー・ガポン・トート（ปลากะพงทอด）: フライドフィッシュとしても人気があり、衣をつけて揚げた後、タイ独特の酸味と甘みのあるソースで味付けされます。
- プラー・ガポン・ヌンマナオ（ปลากะพงนึ่งมะนาว）: 蒸し魚のバリエーションで、新鮮なライムジュース、にんにく、唐辛子で味付けされたソースをかけて供されます。
- プラー・ガポン・パットペット（ปลากะพงผัดเผ็ด）: スパイシーなカレー風味で炒められ、豊かな味わいを楽しめます。
プラー・ガポンの類似の魚
- スズキ（Japanese Sea Bass or European Sea Bass, 鱸）: スズキは日本でも人気のある白身魚で、プラー・ガポンと非常に似た風味を持っています。スズキは同じく淡水と海水の両方に適応する魚で、刺身や蒸し料理、グリルにして楽しまれることが多いです。
- タイ（Snapper, 鯛）: タイもプラー・ガポンと似た味わいの白身魚で、日本では祝い事などでよく使われます。プラー・ガポンと同様、揚げたり焼いたりして使われることが多く、豊かな風味と柔らかな食感が特徴です。
- ヒラメ（Flounder, 平目）: ヒラメもプラー・ガポンに似た風味の白身魚で、柔らかくて繊細な肉質が特徴です。日本では刺身やムニエルなどに使用され、プラー・ガポン同様、多様な調理法で楽しむことができます。
タイ以外の東南アジアでのプラー・ガポンの料理
プラー・ガポン（バラマンディ）は、タイのみならず、東南アジア全体でも人気のある魚です。各国で独自の調理法がありますので、いくつかの代表的な料理を紹介します。
- シンガポール：シンガポール風蒸し魚（Steamed Barramundi with Soy Sauce）: シンガポールでは、バラマンディを使った蒸し料理がよく知られています。魚を蒸して、醤油、生姜、ネギ、コリアンダーを添えたシンプルなスタイルで提供されます。この料理はヘルシーで、魚本来の風味を楽しむことができるため、家庭料理からレストランまで広く提供されています。
- マレーシア：イクァン・スィー・マニス（Ikan Siakap Manis）: マレーシアでは、バラマンディは「シアカップ（Siakap）」と呼ばれ、甘辛いソースで煮込んだり、揚げてソースをかけたりする料理が人気です。甘さとスパイスのバランスが絶妙で、タイのプラー・ガポン料理と似た味わいながらも、異なる風味が楽しめます。
- インドネシア：バラマンディのグリル（Grilled Barramundi, Ikan Bakar）: インドネシアでは、バラマンディは「Ikan Bakar（イカン・バカール）」として、香辛料をたっぷり塗り込んでグリルします。唐辛子、ターメリック、コリアンダー、ニンニクなどのスパイスが使用され、風味豊かでスパイシーな味わいが特徴です。ココナッツミルクやチリソースを添えて提供されることが多いです。
- ベトナム：バラマンディの春巻き（Cha Ca La Vong）: ベトナムでは、バラマンディを魚の春巻きやカレーフィッシュとして楽しむことがあります。特に「チャーカー・ラーヴォン（Chả Cá Lã Vọng）」という料理は、ハノイの名物で、香草やターメリック、ネギと共に調理された魚料理です。バラマンディの繊細な味わいとハーブの香りが見事に調和し、ライスペーパーで包んで食べるスタイルが一般的です。
- フィリピン：スィニガン・ナ・バラマンディ（Sinigang na Barramundi）: フィリピンでは「シニガン」という酸味のあるスープにバラマンディが使われることがあり、これはタマリンドをベースにしたスープです。バラマンディの風味と酸味の効いたスープが絶妙に調和し、ご飯と一緒に食べることが一般的です。
プラー・ガポンは、その味と柔らかさから、タイ料理で広く愛されています。この多様性豊かな魚を用いた料理は、タイの食文化の深さと豊かさを感じさせてくれます。シラチャを訪れた際には、ぜひ様々なプラー・ガポン料理をご賞味ください。
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