今年(2024年)、日本では農林水産省によりブロッコリーが『指定野菜』となったニュースがありました。(ブロッコリー指定野菜へ)
これにより、ブロッコリーは国民にとって重要な野菜という位置づけになったようです。
さて、タイでもブロッコリーは身近な野菜のようで、ブロッコリーを使った料理も沢山あります。今回のブログではタイにおける『ブロッコリー บล็อกโคลี่ (Broccoli)』について考察していこうと思います。
ブロッコリーの概要
ブロッコリーはアブラナ科の植物で、花蕾(つぼみ)や茎の部分を食用とする野菜です。地中海沿岸が原産で、ビタミンCや食物繊維、抗酸化物質を豊富に含んでおり、健康に良いとされています。特に免疫力の向上や、抗がん作用が期待される野菜として世界中で人気があります。
タイでのブロッコリーの歴史とその重要性
ブロッコリーは、タイに比較的新しく導入された野菜です。タイでは1970年代から農業における多様化と輸出向け作物として栽培が始まりました。タイ北部の山岳地帯や高地がブロッコリーの栽培に適しており、特にチェンマイやチェンライといった地域での生産が盛んです。タイ国内での消費だけでなく、周辺のアセアン諸国や中東、ヨーロッパへの輸出も行われており、タイの農業において重要な輸出作物の一つとなっています。
ブロッコリーを使った主なタイ料理
タイではブロッコリーを使った料理も多く存在します。以下はいくつかの代表的な料理です。
- パット・ブロッコリー・ガイ・グロップ (ผัดบล็อกโคลี่ไก่กรอบ): ブロッコリーと鶏肉を炒めた料理。ニンニク、オイスターソース、魚醤などで味付けされ、シャキシャキとした食感のブロッコリーとカリカリの鶏肉が絶妙にマッチします。
- パット・ブロッコリー・クン (ผัดบล็อกโคลี่กุ้ง): ブロッコリーとエビを炒めた料理。エビの旨味とブロッコリーの甘みが引き立つ一品です。通常、ニンニクやオイスターソースで味付けされ、軽い塩味が食材の風味を引き出します。
- ゲーン・ブロッコリー (แกงบล็อกโคลี่): ブロッコリーを使用したカレー。ココナッツミルクをベースにしたクリーミーなスープに、ブロッコリーと他の野菜や鶏肉が加えられ、まろやかな味わいを楽しめます。
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ブロッコリーを使ったタイ以外のアセアン料理
ブロッコリーはタイ以外のアセアン諸国でも人気の食材で、さまざまな料理に使われています。
- カイランとブロッコリーの炒め物 (マレーシア・シンガポール): カイランという中国野菜とブロッコリーをガーリックとオイスターソースで炒めた料理。シャキシャキとした食感が楽しめ、どんな料理とも相性が良い一品です。
- ナシ・ゴレン・ブロッコリー (インドネシア): インドネシア風チャーハンであるナシ・ゴレンにブロッコリーを加えたもの。鶏肉やエビなどのタンパク質とともに炒められ、ブロッコリーの甘みがナシ・ゴレンのスパイシーな味とよく合います。
- ベトナム風炒め物 (Xào cải): ベトナムの炒め物では、ブロッコリーとニンジン、カリフラワーなどを魚醤やにんにくで炒めたシンプルな料理がよく食べられます。ご飯のおかずとして人気があります。
ブロッコリーに関するタイの諺や格言
タイにはブロッコリーに特化した格言や諺はありませんが、健康に良い野菜全般についての表現がいくつかあります。その一つに「กินผักดีกว่ากินยา (Kin pak dee kwa kin ya)」という言葉があります。これは「薬を飲むより野菜を食べた方が良い」という意味で、健康維持のために食生活を大切にすることの重要性を示しています。
また、ブロッコリーの栄養価の高さから「อาหารเพื่อชีวิต (Aahan phuea cheewit)」と表現されることもあります。これは「命のための食べ物」という意味で、体に良い影響を与える食材としてのブロッコリーの価値を称えています。
タイにおいて、ブロッコリーは比較的新しい野菜ですが、栽培地域の適性や健康志向の高まりにより、タイ料理やその他のアセアン諸国の料理に広く利用されています。その栄養価の高さと多様な調理法は、タイの食文化におけるブロッコリーの存在感を今後も高めていくことでしょう。