最近、日本ではタイ人旅行者を見かける機会が多いです。データによると、2023年には約100万人のタイ人が日本を訪れるたようです。これは、コロナ後に日本が入国制限を解除し、ビザ要件を緩和したことで急増しました。一方で、2023年にタイを訪れる日本人観光客の数は約81万人と報告されています(日本の若者の海外旅行離れなど複数要因があるようですが減っていますね)。
さて、タイ人に人気の海外旅行先には、日本、韓国、シンガポール、香港、ニュージーランドや英国などが挙げられます。日本は特に人気が高く、桜の季節や冬の雪景色、ショッピング目的で多くのタイ人が訪れます。また、韓国はK-POPや韓流ドラマの影響から訪問者が多く、ソウルや釜山でのショッピングや食文化を楽しんでいます。シンガポールも、近距離で観光やショッピングを楽しめる便利な場所として人気があります。他にも、アメリカやフランスなどもリストに入っており、タイ人旅行者にとって魅力的な目的地となっています。
上記の通りタイ人が旅行をする際、人気の行き先として日本や韓国、シンガポール、ニュージーランド、英国などが多く挙げられますが、そういえば、タイの近隣諸国、特にラオス、カンボジア、マレーシア、ベトナムといった国々は、あまり選ばれない傾向があるようです。今回のブログでは、それぞれの国がタイ人旅行者にとって人気が少ない理由を考察していこうと思います(民族的に好き嫌いという理由以外での考察です)。
ラオスはタイと国境を接し、文化や言語が似ているため、タイ人にとって親しみやすい国のはずですが、旅行先としてはあまり人気がありません。主な理由は観光インフラの不足です。ラオスは豊かな自然と遺産が魅力的ですが、他の東南アジア諸国に比べて観光施設やサービスが整っていないため、タイ人のような利便性を重視する旅行者には不向きとされています。また、国内で類似の体験ができるため、わざわざ国境を越える魅力を感じにくいという点もあります。
カンボジアにはアンコールワットなどの世界遺産があるものの、タイ人にはそれほど旅行先として魅力的に映っていないようです。大きな理由は治安に対する不安です。特に、カンボジアの一部地域では観光客を狙った犯罪が報告されており、タイ人の間で旅行先としての安全性に疑問が残ることが要因です。また、観光インフラが十分に発展していないことや、タイの遺産と比較して文化的な違いが少なく、目新しさを感じにくい点も人気が低い理由の一つです。
マレーシア
マレーシアはタイから近いにもかかわらず、旅行先としての魅力は限定的に感じられています。理由の一つは文化的な親近感の欠如です。タイとマレーシアでは文化や宗教が異なるため、タイ人にとって親しみやすさが低いと感じられることがあります。さらに、マレーシアの都市部はタイのバンコクやシンガポールと似た雰囲気を持つため、特別な体験を求める旅行者にとってはあまり新鮮味がないと感じられています。
ベトナムは近年急速に観光地として注目されていますが、タイ人にとってはまだ観光地としての優先度が低い状況です。大きな理由としては、ASEANの中にあってタイとの文化の違い、また、観光インフラがまだ発展途上であることが挙げられます。特にベトナム戦争に関する歴史的な側面や、独特の食文化は興味深いものの、タイ国内でも類似した観光体験ができるため、わざわざ訪れる必要が感じられないとされています。
これらの国々がタイ人にとって人気が低い理由は、主に観光インフラの未整備や、安全面での不安、そして文化的な親近感の欠如です。さらに、タイ国内でも類似の体験ができることから、これらの国々を選ぶ優先度が低くなっていると考えられます。
タイ人旅行者は、より洗練された観光施設や安全性、そして新しい体験を求める傾向が強く、日本や韓国といった近代的な観光地が選ばれる傾向にあると思われます。