2024年の日経平均株価は、世界的な経済不透明感がある中でも堅調に推移しました。その背景には、日本国内の政策や企業業績だけでなく、国際関係や世界経済の動向が大きく影響していたようです。
日銀の金融政策と円安効果、米中関係の変化による恩恵、グリーンエネルギーと技術革新、日本の安定した政治基盤と国際的信頼、などがあるとおもいますが、他にアセアン地域やインドの経済成長が、日本企業にとって新たな市場を提供したという理由もあると思います。これらの新興市場に進出する日本企業の成功が、株式市場の上昇に寄与したのではないでしょうか?。また、RCEP(地域的な包括的経済連携協定)の影響で、日本とアジア諸国間の経済協力が強化されたのも好材料だったと思います。
さて、今回のブログではタイの株式市場『SET市場』の2025年の予想について、考察していこうと思います(筆者個人の考察ではなくバンコクポストを参考にしました。尚、タイの株式投資を勧めている訳ではございません)。
SET市場の概要
タイの証券取引所(SET:Stock Exchange of Thailand)は、アセアン地域における主要な金融市場の一つで、多様なセクターの企業が上場しています。タイ経済の柱である観光業、製造業、農業、商業サービスなど幅広い業種が取引対象であり、外国投資家からも注目されています。SET指数はタイ経済の成長や課題を反映する重要な指標とされています。
2024年のSET市場の動向の概要
2024年のSET市場は、観光業の回復や政府の経済刺激策が追い風となり、回復基調が見られました。一方で、世界的な景気減速や地政学的リスクに影響を受け、ボラティリティが高まりました。主要セクターでは観光業が特に注目され、観光関連株が投資家の人気を集めました。
SET市場2025年の全体のおおまかな予想
2025年のタイ株式市場は、観光業と輸出業のさらなる回復に支えられ、成長が期待されています。また、政府が打ち出すデジタル経済政策やグリーンエネルギー関連の取り組みが市場を活性化させると予想されます。一方で、世界経済の影響や金利上昇がリスク要因として挙げられています。
SET市場2025年のセクター別予想
- 鉄鋼セクター
世界的なインフラ需要の増加とタイ国内の建設プロジェクトが鉄鋼需要を押し上げると期待されています。特に、EEC(東部経済回廊)の進展がセクターにプラスの影響を与えるでしょう。 - 金融セクター
金融セクターは、デジタル金融サービスの拡大が大きなテーマとなります。タイ中央銀行の政策が追い風となり、銀行や保険関連株が堅調に推移する見込みです。 - 観光・エンターテインメントセクター
観光業の完全回復が期待され、観光関連企業やホテル業界の成長が注目されています。また、エンターテインメント業界では国際イベントや映画製作がさらなる市場拡大を牽引すると予想されます。 - 製造加工セクター
電子機器や自動車産業におけるEV(電気自動車)関連が引き続き投資家の関心を集める見込みです。輸出の増加がセクター全体を支えると予測されます。 - アグリビジネスセクター
持続可能な農業技術の採用やスマートアグリビジネスが成長の鍵となります。特に、タイ米の輸出増加と関連商品が好調なセクターの一つとなるでしょう。 - 商業サービスセクター
小売業ではデジタルマーケティングの重要性が増し、Eコマース関連企業が成長する見込みです。また、物流インフラの強化が商業サービス全体を支える要因となります。 - 不動産セクター
タイ政府の住宅購入支援政策や低金利環境が不動産市場を後押ししており、住宅セクター全体が安定した成長を見せると予想されるようですが、一方、オフィス市場では、リモートワークとハイブリッドワークの影響で需要が変化しており、従来型のオフィスから柔軟性を持つコワーキングスペースやサービスオフィスへの転換が進んでいます。
2025年のタイのSET市場は、観光業やデジタル経済の成長を背景に、全体として堅調な推移が期待されます。一方で、世界経済の不確実性や政策動向がリスク要因として残ることから、投資家は慎重な判断が求められるでしょう。特にセクター別の動向に注目し、多様な成長機会を見つけることが鍵となります。