シラチャのタイ料理レストランでトムヤムクンやトムカーガイなどのスープ系の食事をすると、レモングラスが大量に入っていることがあります。誤って口に入れてしまう事もあり厄介な具材だと感じる人も多いのではないでしょうか?
さて、タイ料理と言えば、その豊かな香りと独特の風味が特徴的ですが、その鍵となるのが「レモングラス」、タイ語で「ตะไคร้(タクライ)」と呼ばれる香草です。今回はレモングラスを使ったタイ料理と、この多様なハーブの魅力に迫ります。
レモングラスは、シトラス系の爽やかな香りが特徴で、料理に深みと複雑さを加えます。タイでは、さまざまな料理に用いられ、レモングラスの香りはタイ料理の代名詞とも言えるでしょう。
【トムヤムクン】 タイ料理の代表とも言えるトムヤムクンは、レモングラスの香りが決定的な役割を果たします。このスープは、レモングラスの他にライムの葉、ガランガル(ショウガの一種)、唐辛子などを使い、酸味と辛味が絶妙なバランスを生み出します。レモングラスは、トムヤムクンのフレッシュでクリーンな香りの基盤を形成し、食欲をそそる効果をもたらします。
【ガイヤーン】 タイのストリートフードの定番であるガイヤーン(タイ風焼き鳥)にも、レモングラスは欠かせません。マリネにレモングラスを使うことで、鶏肉はしっとりとして香ばしさが増し、独特の風味が加わります。
【ラープ】 ミントやコリアンダーとともに、レモングラスはタイ北東部のサラダ料理、ラープにも用いられます。豚挽き肉や鶏肉にレモングラスを加えることで、爽やかで香り高い一品に仕上がります。
レモングラスは、これらの料理に限らずカレーや炒め物、デザートに至るまで、多岐にわたる料理で用いられています。料理に加えるだけでなく、お茶としても楽しまれ、消化を助けたりリラックス効果があるとされています。
タイでは、レモングラスは生のまま細かく刻んで料理に加えることもあれば、大きめにカットして煮出して香りを抽出した後、取り除くこともあります。どちらにせよ、この香草は料理に深みと複雑さ、そして記憶に残る香りを加えてくれるのです。
しかし、日本ではレモングラスは一般的なスーパーではなかなか見かけません。これは、レモングラスは熱帯から亜熱帯の気候を好む植物で、暖かく湿度の高い環境で最もよく育つから、日本ではなかなか育たないのかもしれません(大がかりの設備投資をして育てても、需給バランスで採算が合わないかもしれません)
シラチャに滞在される際には、日本では貴重なレモングラスの料理やデザート、飲み物を味わってください。